日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛事務局長が27日、都内の同事務局で取材に応じ、試合後に一時意識を失った前IBF世界ミニマム級王者・25歳の重岡銀次朗(ワタナベ)の容体を明かした。24日にインテックス大阪で王者ペドロ・タドゥラン(フィリピン)に挑戦し、1-2の判定負け。リング上で意識が朦朧とし、救急搬送されていた。試合直後に緊急の開頭手術を受け、現在も大阪市内で入院中。麻酔で眠っているという。規定により引退となる。 病院から現状報告を受けた安河内氏は取材対応。「確実な情報として、急性右硬膜下血腫となりました。試合直後に緊急の開頭手術を受け、経過観察中です。今後は1週間くらいで状況がわかる期間になります。麻酔で眠っている状態。これから経過観察します」と説明した。試合後から前WBC世界ミニマム級王者の兄・優大と父親が付き添っていたという。 選手生命については「硬膜下血腫で開頭手術をしていなければ、山中竜也選手(元WBO世界ミニマム級王者)のように復帰できますが、今回にいたっては無理です」とJBCの規定により引退になるという。「脳の腫れはこれからの闘いで一番の敵になる。その腫れをどう抑えるか。重岡選手自身が闘っています」と説明。「優大君も我々に気丈に振る舞ってくれた」と明かした。 重岡は判定結果を聞いた直後にコーナーに座ったまま意識が朦朧。「口、開けられますか?」などの問いかけにもほとんど反応はなく、目はうつろな状態に。リングからそのまま担架で運び出された。控室でも吐き気があり、記者会見などは行わず救急車で搬送されていた。 リングサイドで見守っていた安河内氏は「勝者のコールまでは歩いていた。私が異変を感じて上がって見たら体が斜めになって、意識はない感じがした。担架に乗せた時点で意識はなかったです。医務室では手術が必要かはわからなかったが、脱水かもしれないという感じ。血腫はあるのかなと。そこは私の推測です」と指摘。「医務室では喋ることができず、目を開けることもなかった」と明かした。 試合後にJBCが映像を検証。ダウンなど決定的なシーンはなく、ダメージを蓄積したとみられる。昨年2月に死去した穴口一輝選手のようなダウンを複数回奪われる壮絶な打撃戦ではなかった。 「前回(昨年7月)に重岡選手が負けた時はかなりの打撃戦でしたが、今回は際立ったダメージがない。それが大方の意見です。コーナーに戻る様子、勝敗を聞くまでの様子もそこまで異変はない。コーナーに戻って頭を抑えるシーンがあって、意識レベルが落ちました。 例えば穴口選手の時のような猛烈な打撃戦ではないので、原因がわかりづらい。普通に行われる打撃戦。皆さんもお分かりの通り、重岡選手は上手く戦って大きなパンチはなかった。これというものを見つけるのは難しいです」 興行は元世界3階級制覇王者・亀田興毅氏が手掛ける「3150×LUSHBOMU vol.6」として開催。重岡は昨年7月のタドゥラン戦での“人生初黒星”から再起したが、直接の再戦で2連敗を喫し、王座返り咲きはならなかった。安河内氏は「また情報が入りましたら、随時お伝えします」と話した。
コメント 10件
急性硬膜下血腫。これはリング禍の1番の原因。そんなにやばい状態だったのか。とにかく意識が戻って体にも麻痺など残らないことを心から願う。ボクサー人生が終わってもまだまだ若い彼には未来があるのだから。
腹括ってリングに上がってるとはいえ、こういう事が起き得る危険な競技なんですよね。 結果論になるけど、赤穂さんはカシメロ戦でこういう危険を感じたのかな… 周りの人は打ち合えとか言ってたけど、あの終わり方もありかもなぁ とにかく重岡選手が、無事に回復するように願います。
出血の度合いにもよるが致死率は高い。 そして再度出血や感染症になれば亡くなる人もかなり多くなる。 危険な状態を脱しても麻痺などは残る可能性はかなり高い。 しかし彼ならば色々な困難も乗り越えてくれると信じましょう
試合中から判定を聞くまでの間は身体が緊張状態にありアドレナリンの多量分泌などがあり、判定を聞いた後、身体の緊張状態が切れ一気に血流が変わりダメージのあった頭に血が溜まってしまったのかもしれない。 硬膜下出血などの症状は多くの選手が試合中より試合直後に発症してるように思う。 試合後意識が朦朧としている選手は、たとえ受け答えが出来ようが、経過観察に時間を掛けず、直ちに病院に搬送するべきである。 今回もコーナーに留まっている時間が長いと感じた。 その場の判断ではなく設備の揃った院内での検査判断が最優先事項である。
実際試合直後に意識が無くなるというのはこれまで起きたリング禍のパターンであり、緊急開頭手術により現在経過を見ている状況のようなので、何とか最悪の事態にならないことを祈りたい。 会場には何かあった時のために救急車を待機させていたのだが、その前の試合の但馬選手を搬送するのに既に使っており無かったため、急遽外部から新たに救急車を呼ぶことになってしまったようで、ある意味不幸な形が重なってしまったようだ。
原因がわかりづらい、これといったものを見つけるのは難しいーとあるが、当然のこと。外傷ではなく内部の損傷なのだから。大きくもらうパンチはなかったともあるが、蓄積が危険だと言われるさい、一部誤解がありそうだが一方的な展開や明らかなKOでも事故は起きている。何も強いパンチが危険度が下がるのではない。ただ派手なKOなら誰が見ても危険だと分かるし、即ストップできる。蓄積がより危険と言われるのはその辺りが一因だろう。コツコツと地味なパンチでも、それを30分余りもらい続ける。つまり、そのような危険を伴う競技ということ。「わかりづらいから止められない」ではなく、もともと外側から判断できないが、それでもやる競技だということ。だから賛否がある。しかし重岡氏に関しては何とか回復を願うばかり。
井上vsカルデナス 止めるの早かった、まだやれた等の意見も多かったが このような事態にならないためにレフェリーストップしたんだなあと今回の重岡選手の救急搬送で感じました 重岡選手の回復と後遺症が残らないことを願う
重岡がタドゥランの片腕に掴まり、タドゥランは反対側の手で、何度もパンチを打ち込む。このシーンの印象が強いな。 タドゥランが反則かと言われると、そもそも片手にしがみつくのがホールドで禁止行為だから、彼は出来ることをやったに過ぎない。 あれがタドゥラン有利のレフェリングだったのか、重岡の反則を取らないでくれていたのか分からないが、やはりきっちりとした判断をしなければいけなかったね。 にしてもアマチュアでも無敗(1敗は兄との試合を棄権したもの)で、順調に世界王者になった銀次朗が、ミニマムでフィジカル負けとはね。 神様はもう少し彼を大きくしてくれても良かったのに。
最近、止めるのが早いと思う試合も多々あるが、重大事故やリング禍も多くないか? 昔と比べてどの階級もフィジカルが強くなってきているのとは思うが、水抜き減量方法に問題があったりもしないのか? とにかく今は重岡選手の無事を祈るのみ。
とにかく命が助かって良かったです 本来どれだけ危険なスポーツか、ということを改めて認識させられました そんな過酷な状況下で極限のパフォーマンスを実現し、そのためにトレーニングを重ねてきた、そして今も重ねているアスリート達を、改めてリスペクトします
引用: https://news.yahoo.co.jp/articles/8c3fc5736e11eabeb24b491fbb3d393a0a214310
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