中学校教員の「ブラック労働」の温床となっていた部活動のあり方は、地域移行という解決方法により、すでに様相を変えている。文部科学省の調査によれば、令和7年度までには「中学校」のスポーツ系部活動の54%が地域連携または地域移行を予定。まさに令和の大改革だ。 一方、危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、教職員の働き方以外にも、部活動で見直すべき点はあるかもしれないと話す。 「この改革により、教員負担を減らせる仕組み作りが進む一方、保護者負担が増えているという声も多いのが実情です」 平塚氏はこう続ける。 「地域移行により学校以外の場所で活動するようになれば、それだけ保護者が送迎を負担するチームも増えそうですね」 送迎だけでなく、お茶出しやスコアブックの記入など、現地でのサポートを保護者が担うチームも珍しくないようだ。 「最近よく聞くのが、高校生の部活を、休日を返上してまでサポートする親御さんの話です。ようやく中学の部活から解放されたと思ったら、高校でさらに親の出番が増えたという嘆きも耳にします」 今回、取材に応じてくれたのは、ある地方都市に住む女性。高校生の娘さんが、あるスポーツ系の部活に所属しているという、50代のパート従業員だ。 「この方の娘さんは、小学生の頃からある球技を続けてきました。ご本人曰く、優秀なプレイヤーというのではないが、本人がこの競技が好きでずっと続けている、とのこと。地域で一番の強豪高校への進学は逃すも、『そこそこ実績のある高校』に入学したそうです」 と平塚氏。女性はわが子のスポーツチーム活動のサポートをすることに慣れており、大変ではあったが、中学まではさほど疑問を感じずに参加してきたという。 「女性は、保護者が応援に熱心な高校部活もあるという噂は知っていたものの、娘の志望校は保護者に支援を強制することはないと聞いていました。入学後は子ども自身で移動などをする認識でいたそうですが、フタを開けてみたら実態はまるで違ったといいます」 中学ではあまりなかった遠方の高校との練習試合や大会といった「遠征」の送迎が頻繁にあり、送迎を担えば、それに伴って現地でのサポートという「おまけ」もついてくる。 「女性は週に5〜6日仕事をしているほか、この娘の他に2人のお子さんがいますが、日々の勤務・家事・育児をこなしながら、週末には娘と共に体育館に通って部活動の準備・練習・後片付けまでを補佐。 遠征では送迎以外にも、球拾いやお茶出しなども当然のようにサポートしています。試合が始まれば、お揃いのTシャツでの『全力応援』も恒例だといいます。ちなみに、部活顧問は保護者の支援を『伝統だから』と当然視しているようです」 就寝時間が深夜となることも多い女性だが、朝4時に起きて5時に集合し、片道200㎞を運転することもあると証言。心身共に負担は限界に達しつつあり、叫び出したくなるほど追い詰められることも。彼女にとって、子の部活の手伝いは完全に「ブラック労働」となりつつある。 また、親の過剰な支援が子どもたちの自立の妨げにならないか危惧しているとも述べた。確かに、教育的な意味でも、こうした「伝統」に問題はないのか、検証が必要なのかもしれない。 【関連記事】「スポーツ推薦で入学したわけでもないので」顧問が発した驚きの言葉とは?保護者間の「不公平」も問題に。 では、同じ部活動の保護者間にある面倒クサすぎる「いざこざ」について詳報している。出典/文部科学省・学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に 関する総合的なガイドラインに係る フォローアップ調査結果(令和6年) 聞き手・文/小澤みどり PHOTO:Getty Images、
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部活動が機能していたのは、教師のほぼ収入なしの労働と、協力してくれる保護者たちがあってこそでした。 強豪校と呼ばれる学校、どの競技でも保護者組織が強い協力体制を強いているように見えます。 部活動の地域移行で、教員が部活動から離れると、保護者たちの関わり方も変わると思う。 ただでさえ、地域移行で部活動補助費等で負担されていた活動費用が、ほぼ保護者負担になっていくから、経済負担増の上、これまで通り、又はこれまで以上にお手伝いが増えたら、各家庭の負担は増えていく事は間違いないと思う。
元々の部活の成り立ちを忘れて非難する方々多発がトラブルの原因です。 昭和の放課後、エネルギーが有り余った10代の学生が地域で悪さの対策で学校内でエネルギーを発散しきってもらう目的で出来たのが部活。 だから スポーツがメイン。頭だけでなく体もしっかり動かしてバランス取ろうということ。 昭和の話ですが、ある部活がない学校だと放課後、生徒が商店街ののぼりを集めて 自転車につけて乗り回していたとかありましたね。その後文武両道の部活もしっかりする学校に変わりました。 必死で体を一生懸命 動かすことでエネルギーを使い切って帰ってきたら夕飯の時間。色々 トラブルも起こさずスムーズな地域生活につながります。 当時 教員の給与は高かった。しかしデフレ期、メディアが煽った公務員改革で急激に給与を減らされて部活の負荷はそのまま。おかしくなります。 親の負荷を減らして部活なら、高い私立に行かせるのが妥当。
子どもの部活には外部コーチがいて、毎週末部活や練習試合に熱心に参加してくれていました。 ある時、コーチの奥様が見学にいらしたので、お礼と毎週毎週コーチのお時間をいただいてしまい、奥様にもご苦労をおかけしてますと声を掛けたら、涙ぐんで「ええ、はい」と言われてしまいました。 コーチは部活が楽しくて仕方がないようですが、家族にしてみればせっかくの週末を一緒に過ごす事がずっと出来ないですからね。 モヤモヤは保護者に限った事ではないと思います。
まず部活を神聖視することを止めるべきだと思います。 思春期のエネルギーを部活に注ぐ姿は美しく見えますが、部活の本質は遊びです。 勉強ばかりでは息詰まるところを心身のリフレッシュのためにするのが部活の本来の目的。 遊びである以上楽しくあるべきだし、勉強や仕事などの本業や生活に支障をきたすほど熱中してはなりません。 本人だけでなく支える家族も楽しくなく辛いと感じたら遊びである部活の目的を果たせていないと認識し、すぐに止めるべきです。 私にも野球に夢中になっている息子がいますが「君のやっている野球は断じて遊びであることを忘れるな」と戒めています。 道具の購入や送迎など周囲のサポートがあって出来る事であることを認識させ、自分で出来る準備と片付けは自分でやらせます。 さらに成績が下がったら辞める約束をしています。
娘は高校の野球部マネでしたが、選手の保護者は雑事こそないものの、練習試合から公式戦までほぼ応援に来ていたようです。私も休みが合えば行っていましたが、雨で延期が続いても応援に行けるって…仕事(ほとんどの方はフルタイム)はどうしてるんだろ?と不思議に思っていました。でも、皆さん好きだから、息子の応援をしたくて来ている、という感じでした。心内は分かりませんが…
我が子は球技ではなく陸上競技だけど、会場になる施設が近い学校だからか、会場準備で大会が有ると学校に朝の6時前に集合し、そこから部員全員で会場に自転車で移動してたな。 送迎は要らなかったからマシだけど、起こして朝ご飯食べさせるのに親は5時前に起きる必要が有った。 高校進学と同時に別の部活になったから、もう過去の話になってくれたけど。
親が大変で無理なら辞めさせるか、入学前に調べて高校等を選べばよい! 色々と調べもしないで入学してから文句言うのは親の自分勝手だと思う。 ブラック労働って言葉も嫌いだな、子供と一緒に楽しめば良い俺は送ったら、そのまま見学したり、地方に行くので、奥さんと観光したりして楽しんでたよ。
>「女性は週に5〜6日仕事をしているほか、この娘の他に2人のお子さんがいますが、日々の勤務・家事・育児をこなしながら、週末には娘と共に体育館に通って部活動の準備・練習・後片付けまでを補佐。遠征では送迎以外にも、球拾いやお茶出しなども当然のようにサポートしています。試合が始まれば、お揃いのTシャツでの『全力応援』も恒例だといいます。ちなみに、部活顧問は保護者の支援を『伝統だから』と当然視しているようです」 そうじゃないところも全然あると思うけど…
今までそれを先生が無料でやっておられたのですね。何かおかしいことがわかれば改革をしたらいいと思います。先生の持ち出しでやっていたのですから。それを管理職は「うちの教師は熱心だ」とかもてはやしたのですから今思えば家庭生活や個人の時間を奪っていたのですからそこは問題でした。
地域クラブは色々あるので、保護者負担の少ないクラブ(お値段は高め)を選べば良いだけですね。 もちろんクラブが少なく選べない地域もあるでしょうが、これからは部活は無いものとして考えていく時代です。
引用: https://news.yahoo.co.jp/articles/223e0371e4af9785788351ca2c2b7fab969728f6
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