TVアニメ『機動戦士ガンダム』の最終決戦、宇宙要塞「ア・バオア・クー」をめぐる戦いにおいて、ジオン公国軍のベテランパイロットは新型モビルスーツ(MS)「ゲルググ」を避け、使い慣れた「ザクII」を選んだという話が聞かれます。 ゲルググは、連邦軍の強敵である「ガンダム」と同格の性能を持つとされる機体であり、ザクIIよりも生き残れる確率は高そうです。なぜ、ベテランはゲルググを避けたのでしょう? ゲルググはビーム兵器を装備しており、ベテランにしてみれば新兵器であるため、慣れないモノは使いたくないと見られた可能性など、理由は大小さまざまに考えられます。 無論、「慣熟」の問題もあるでしょう。その観点から考えると、避けられた大きな理由のひとつとして、ジオンの量産機には珍しい「手持ちの盾」を装備している点が挙げられるかもしれません。 改めてジオン公国軍のMSをよく見てみると、量産機で手持ちの盾を装備するのは、地上用の「グフ」くらいです。ザクIIの盾は右肩に取り付けられていますし、「ドム」には盾そのものがありません。 盾がゲルググを避ける理由となる根拠としては、「AMBAC(アンバック)」への影響が挙げられます。 AMBACとは、MSが宇宙において、四肢を振るなどして発生する反作用を利用し姿勢制御を行う技術のことです。スラスターなどと組み合わせ、高い機動力を得ることも可能といわれ、また推進剤(燃料)を使わずに姿勢制御が行えるメリットもあります。 AMBACには、機体の重量バランスが重要になることは想像に難くありません。 例えば、我々が右手に何も持たず、左手にカバンを持った状態で腕を振り回したとしたら、かかる力は左右で大きく変わります。人間でさえこれなのですから、全高19.2mのゲルググが、10mを超えそうな巨大な金属塊である盾を振り回せば、バランスには多大な影響が出るでしょう。AMBACにかかる力について「末端部分では100Gを超える」とする資料も存在しています。両手に同じ盾を持っているならともかく、ゲルググの盾は片手持ちなのです。 連邦軍は最初からガンダムやジムといった盾持ちの機体で戦っており、途中から盾を取り入れたジオンとは事情が違います。おそらくジオンのパイロットのあいだでは、両手がフリーであることを前提としたAMBACのテクニックや、現場で改良された姿勢制御ソフトなども出回っていたことでしょう。これに慣れたベテランたちは、そうであるがゆえに乗り換えたがらなかったのではないでしょうか。 「シャア・アズナブル」や「ジョニー・ライデン」といったエースたちはゲルググに乗り換えていますが、これは専用機として細かく調整してくれるサポートがあってのことでしょう。専用機をもらえないベテランたちはそうもいかないのです。 ゲルググといえば『機動戦士ガンダム』第40話など、盾を背中に固定した姿も印象的で、これなどもAMBACへの影響を最小限にしようとした工夫であるのかも知れません。
コメント 10件
ガンダムは単純に見て面白いとアニメだと思うのですが、あくまで架空の話であって、作者がそこまで考察して、設定を作成していたものではないとは思いますが、そういった考察を出来るくらい、素晴らしいコンテンツなんだとは思います。
ゲルググはビームナギナタの影響の方が大きいと思う。チャンバラするのに不利だし、両刃なので慣れないと自機に当たる。 だからリーチが長いナギナタで攻撃して、斬りかかられたら、盾で防御という考えかもしれません。 盾はライバルのギャンすら装備してるので、必要な装備だったのでしょうね。
ファーストを見てた時は、戦争末期で新兵が搭乗するジオンの悲しい台所事情があったり、シャア専用もこの時点でアムロと力の差が歴然としてたのもあって活躍の場が少なくそんな高性能機に見えなかった不遇の機体でしたね。 あの扱うのが危険なビーム薙刀を頭の上で回転させてるのを見ると、 『なるほど・ザ・ワールド」の増田由美さんが孫悟空の格好で如意棒振り回し、操作誤って自分の頭をコツンとする何度見ても笑える伝説回を思い出すんですよね。 あんなことがゲルググでも起きそうだから、嫌がられててるとかね‥(笑)
発展機やバリエーション機には背中にバーニアいったバックパック換装をしてるので、それらが無い初期タイプでも盾は必ずしも必要で無く取り敢えず持たせたみたいな所では。 ビームライフルの恐ろしさはジオンの方が知ってる面もあるので装甲素材で連邦に劣る分、耐ビームコーティングした盾を持たせる事でパイロットの不安を緩和させたのもあるかも知れないですが。
ベテランは性能の劣る慣れたザクで頑張り、新兵に性能のいいゲルググを回したという説もある。 ガトーはゲルググだった気がするが。 どちらかというと、ビームライフルが問題では? マガジン交換できるマシンガンと、使い捨てでいいバズーカがあるザク。 数発で撃ち切ったら捨てるのが勿体無いライフルのゲルググ。 長期戦になればザクの方が良さそうだが。
盾を持って出撃しても戦闘に合わせて捨てるんだから理由にはならないよね。 機体性能だけを選べば間違いなくゲルググだし、シャアやガトー、ジョニーなどなど歴戦のエースパイロット達も選択してる。
ドムと水泳部以外のMSは何かしら盾を装備しているので、連邦のビーム兵器対策で大型化したと考えるほうが自然かなぁ。 ビームナギナタも片側出力可能だし、やっぱり機種転換の時間が無かったというのが一番納得できる。
個人的にゲルググの装備ですと、盾よりも両刃型のビームナギナタが既存のヒートホークやヒートサーベルと比較して、ザク・ドムに慣れた兵士には白兵戦時の使い勝手が異なって戸惑ったかと感じました。
飛行機に例えるなら空を飛べない時代、新型で空を飛ぶ兵器…ともなれば、真っ先に危険性を疑いますからね。後付けではあるがザクとヅダの開発競争での、あの1件を考えれば使い慣れた兵器を選ぶのも自然な流れではないでしょうか。
ゲルググの装備と言えば、まずビームナギナタの方だ思うのだけど、「そっちかい」思いました。 だけど言われてみれば納得。実際には後付けなんだろうけど、これは大人になってからでないと理解できない話だと思う。
引用: https://news.yahoo.co.jp/articles/e24a0dd1c5d35fce2c78bacb591101d915801034
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