5月22日、モンゴル出身の大相撲・横綱豊昇龍が日本国籍の取得準備に入っていると報じられた。日本相撲協会は力士が現役を引退したのち、親方になれる「年寄名跡」の前提条件として「日本国籍を有すること」を掲げており、過去には小錦、白鵬らが日本国籍を取得している。 ジャーナリスト・森田浩之氏は、外国出身力士のセカンドキャリアについて、国籍を理由に親方への道を閉ざす方針について「多様性重視の時代に即しているとは到底思えない」と異を唱える(以下、森田氏による寄稿)。 モンゴル出身の横綱・豊昇龍が、将来的に日本国籍を取得する意向であることがわかった。日本相撲協会は、力士が引退後に親方として後進を指導するには日本国籍が必要だという規定を設けている。豊昇龍は近くモンゴルに帰国して大統領に会い、国籍変更の承諾を得るというから、これは大変な決断だ。 だが考えてみれば、指導者になるために現地の国籍が必要だというスポーツは、世界でもほかにないだろう。そもそも一般企業なら、国籍を理由に雇用を拒むのは法律違反だ。相撲協会が親方を「日本人」に限るのはなぜなのか。 親方の「国籍規定」が作られたのは1976年。その理由は明らかではなかった。明文化されたのは40年以上が過ぎた’19年。相撲協会が諮問した有識者会議の提言書が、日本国籍が必要な理由に触れた。 提言書では日本の歴史と伝統を吸収することを「入日本化」という造語で表現し、それを力士らに求めている。だが歴史と伝統の中身は明確にしないまま、相撲道を教える立場の親方は日本に「根を張っている」と示すために日本国籍が必要だという、理解しにくい理屈を展開している。日本生まれの親方の下でも暴力やパワハラなどの不祥事が起きたことには触れていない。 外国出身力士は大相撲に欠かせない存在だ。先ごろ幕を閉じた夏場所では、幕内力士42人のうち外国出身者は11人と4分の1以上を占めていた。’10年代半ばにはこの割合が4割に迫り、3横綱がすべてモンゴル出身だった時期もある。 若くして日本の相撲界に身を投じ、厳しい稽古に耐え、伝統と習慣を学び、日本語にも熟達している外国出身力士。彼らのセカンドキャリアについて、ただ国籍を理由として親方への道を閉ざす方針が、多様性重視の時代に即しているとは到底思えない。 引退直前に日本国籍を取得した元大関・琴欧洲の鳴戸親方(ブルガリア出身)は「パスポートで人は変わらない」と語っている。伝統とされるものから何を引き継ぎ、何を変えるかを見極めるべき時だ。 【森田浩之】 もりたひろゆき●ジャーナリスト NHK記者、ニューズウィーク日本版副編集長を経て、ロンドンの大学院でメディア学修士を取得。帰国後にフリーランスとなり、スポーツ、メディアなどを中心テーマとして執筆している。著書に『スポーツニュースは恐い』『メディアスポーツ解体』など
コメント 10件
全ての事柄に対して公平性や多様性を求めるのは、一種のハラスメント泣きが最近してきています。 相撲は日本の神事からの文化であり、そこにまで多様性を求めるのは生きすぎだと思います。神社の女人禁制しかり、ローマの教皇が男性のみなのもしかり、培われてきた文化に対して尊重することも大事だと思います。
豊昇龍と大の里との相撲を見たが、どちらも器の大きい強い相撲で感動しました。これまでのモンゴル出身の力士はとても強かったが、初手がどうも横綱らしく思えないような取り組みで嫌いでした。 横綱相撲といえば貴乃花がまさにそうでしたが、相手を真っ向から受け止めそれを力や技でねじ伏せる、まさに横綱だと思いました。 豊昇龍も張り手などせず頭から大の里へ突っ込み、若さ溢れる取り組みでした。 大の里には日本の期待を背負って頑張ってほしいです!
相撲は国技であり神事と言う性質がある以上は、日本国の国籍を持つ事と言う規定は当然だと思う。 むしろ関取には日本人以外の人もなれるし、日本の神道を信じていなくてもなる事ができる。 はっきり言えば国籍にも宗教的価値観にも寛容だと言っても良いぐらいだ。
相撲の成り立ちを考えると、そもそも相撲は神事。それが庶民の娯楽が乏しい時代に波及し国技となりました。国技である以上規定があるべきだと考えます。柔道を見て頂ければわかる通り世界のJUDOになると柔道とは異なった形に変っていきます。傍から見たらレスリングかと思われるような倒れたら技を掛けていなくても有効や効果など柔道では考えられない形になってしまいます。SUMOも世界に広がってきて女性相撲も行われるようになっています。国技の相撲は神事であるが故に女人禁制などがある為に看護士が土俵に上がった際は大問題となりました。男女ジェンダー平等は世界の流れなので一般的なものは全てが平等であることが必要ですが伝統を脈々と続けてきたモノが一つ二つ変わらなくても良いじゃないですか。我々の先祖が築き上げてきた”文化”が世界の”文化”に劣っていますか?自分達の”文化”に自信と誇りがあるなら何も変える必要はない。
「興行」は外国人力士が居ても良い。相撲協会は日本の団体「運営」に外国人が参加する事には制限は必要。外国籍の親方ばかりになったら海外に資産を持ち逃げされるよ。日本国籍が必須なのは理由が有る。近頃流行りの多様性とかじゃない。
パスポートで人は変わらないのなら、やりたい事の為にパスポートくらい変えても良いじゃないか。 角界に多様性を求めるんじゃないよ 神話時代からの伝統文化なんだから時代に合わせて変えるんじゃなく、時代の変化に負けずに変わらない事の方が大切なんだ。
文化的な側面から指導は日本語で行うべきという理論はわからないでもなく、日本国籍が取得できる水準まで日本語が話せることの目安にもなっているのかな。 日本語能力試験N2以上みたいな水準を設けるのも1つだと思う。
相撲は日本の神事でもあり、文化でもある 外国籍を認めたら、外国籍の人数が増えるのは仕方ないにしても多数派になった場合、突然別の外国で年間通して本拠地を移転、興行をする!なんてことを強行する可能性も無いとは言えない 可能性として絶対0%にはならないからね 日本国籍保有なら、そんな可能性が限りなく0に出来る
相撲は国技である。国籍は重要だと思っています。そして日本人ファーストであってほしい。特に年寄株に関しては金がものをいうで取得できないことが多いのは困ったものです。 差別ではなく区別ですね。実際大相撲の外国人は故郷を大事にしている人が多いです。
多様性と言えば何でも許される訳ではないと思う また、相撲はスポーツではない 筆者は国籍が親方の道を閉ざしていると言うが、国籍変更すれば親方になれるのなら道を閉ざしているとは言えないのでは? 本人が親方になりたい思いと国籍、どちらを優先するかの問題だと思う パスポートで人は変わらないとの言葉を記事にしているが、それなら余計に国籍変更すれば良いだけだと思う
引用: https://news.yahoo.co.jp/articles/e9c2d5215505be0bd0af4d5997d3001b548b9897
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