5月19日に配信した記事「我が子を特別支援学級に通わせる保護者の怒り 箱だけ用意された“名ばかり支援級”の実態」の反響は大きく、学級崩壊を招いた教員が特別支援学級の担任に回されているなどの実態に多くの意見が寄せられた。編集部に届いたリアルな声から、新たに問題点が見えてきた。解決の糸口を、現役教員や教育評論家に話を聞いた(以下、通常学級は通常級、特別支援学級は支援級とする)。 「支援級の小学6年生のときに、担任に我が子は草むしりをさせられていました。これは教育委員会に伝えるまで続きました…」という長崎県諫早市在住のSさんは、現在21歳になるダウン症のお子さんが小学6年時と中学1年時の担任に悩まされ、鬱病も経験した。 「中学1年時の担任は、特別支援計画(障がいのある児童生徒の個々のニーズに合った教育的支援の計画)を作らず、『そんな書類は知らないです』と堂々と言い放ちました。 障がい児の親が過度に心配しすぎなどと批判の声がありますが、精神疾患などの二次障害が起こる可能性もあり、『我が子を守るのは親しかいない』という気持ちが強いです」 また、神奈川県横浜市の小学校の支援員だったFさんは、現場の実態をこう打ち明ける。 「先生が児童の胸ぐらをつかむ、壁に押しつける、泣くまでプリントをやらせる、ペットボトルで作った作品を握りつぶしゴミ箱に投げ捨てる、などの行為を見かけました。まるで軍隊のような支援級でした」 当時の校長に直訴しても担任の指導は変わらず、教育委員会に伝えても“保護者ではないから信用できない”と突っぱねられたという。 「その後も、学校カウンセラー、横浜市の支援課や教育委員会の心理士に伝えましたが改善されず。この実情を児童の親御さんはいまだに知りません。子どもたちの環境が少しでも良くなってほしい」 Fさんは現在もその小学校へ時々様子を見に行きながら、市で子育てサポートを行なっている。 京都市の小学校に子どもを通わせていたMさんは、支援級に通う、話すのが得意ではない娘の変化に気づき、いても立ってもいられず、ある行動を起こした。 「3年生までは学校が大好きだったのに、4年生になってから毎朝登校を拒否するようになったんです。日に日に元気もなくなっていって、何かおかしいと感じ、いけないと思いながらもボイスレコーダーをカバンに入れて登校させました。 そこに記録されていたのは耳を疑う内容でした。朝から下校まで担任のS先生に一日中罵倒されていたんです」 《あんたら、そんなんやし、何も出来ひんねん!》 《返事は? 返事! 返事も出来ひんから、こんなとこいるねん!》 ボイスレコーダーには、こうしたS先生の罵声が記録されていた。すぐさま校長に掛け合うも「そんなはずはない」の一点張り。録音を聞かせても、信じられないという顔だったという。 その後、「担任は変えられないので、見張りをつけます」と言われたが、結局見張りのいない時間に同じことを繰り返されたという。 問題のS先生は2年間は現場を離れたものの、現在は教員に復帰。実はこのS先生も、前年度に通常級で学級崩壊を起こしていたことがわかっている。
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支援学級、力のない先生がいることも事実です。一方で、専門的に学び家庭と学び合いながら学級経営をしている先生もいます。支援学級は、学校の中心です。力のない先生には、ぜひ力のある先生と組ませてほしいです。私は、年上でも何であっても、「子どものために」を軸に意見を交わしあって毎日支援をしています。どんな子でも必ず成長します。何もできない子なんて一人もいません。本当に一人一人について我が子のように悩み、葛藤します。そして、チームで対応していきます。保護者、福祉課、児相と連携することもあります。今年度は、強い希望で支援学級の担任+主任、コーディネーターは、全て本採用で固めてもらいました。一年毎に担任が変わってしまうのも良くありません。毎日、毎年、子どものためにどうしたら良いか学び、実践していく、これが教師の仕事だと思います。そもそも「子どものために」ができない人は転職すればよいと思います。
現場は人手が足りていないことが大前提で。 昔なら「何か変な子」で済まされていたのが、今は診断名がつくようになりましたよね。それはそれで問題はないと思います。ただ、支援学級からすれば「これぐらいなら通常級に行ってほしい。本来なら◯◯レベルのような子たちが来るところ」と悩んでいると思いますし、通常級は通常級で「これは通常級では無理。他の生徒への影響が大きすぎる。支援学級に行ってほしい。」と悩んでいると思います。こういう板挟み状態の生徒さんが居づらい環境がずっと続いているので、文部科学省は現場に丸投げではなく、何かしらの対応を考えてほしいです。
支援学級の担任は本当に難しいです。児童への対応は専門性が高くないと困難ですが、特別支援を専門的に学んだ職員のみが担任する、と言うのは、現実的に無理です。現場は絶対的な教員不足に陥っています。ですから、必要なのは、どの担任も、その子供に関する個別性をよく理解している保護者や専門機関と共にタッグを組んで、足りない部分を補いながら、協働して支援するということです。そういう例が、学校現場にはたくさんあります。けれども、思ったような支援でない時、協働ではなく、クレーム、叱責、非難、攻撃をする保護者の方が多くいるのも残念な事実です。さらに、放課後デイサービスや通所施設等の専門家に近い方が、利用料を払う保護者の要望で学校に出向き、ケース会議の名のもとに、少人数指導とはいえ集団生活である学校に対して、強い態度で、該当児童の利益のみの視点から、大変難しい要求をしてくることに苦しむケースもたくさんあります。
障害が重い子が支援級に増えているのも事実かと思います。トイレや給食の介助が必要なお子さんが何人もいたら、それだけに追われてしまうこともあります。発語がなく意思疎通が難しいお子さんもいます。 教員の専門性も必要ですが、支援級の教員の人数が圧倒的に足りなくなってきているのも事実かと思います。
特支担任は、楽で良いと言う意見があるが、それは学校によりけりです。 小学校の情緒学級は、特性の違う子や惹かれ合う子、2次障害を抱えている子、学年の違う子、不登校の子がいるのは普通。 通常も大変だが、支援の必要ではない子もいるはず。支援学級は支援の必要ない子はいないし、保護者は、自分の子は支援が必要だと公言しているわけだから、通常と同じ対応では満足されないのが普通です。 保護者が公言する裏には、いまだにリスクや葛藤が大きい。理解が進んだとは言え、まだまだ偏見はある。 正しい理解が必要だと思う。 さて、中学校の知的は誰がどのように教えているか、多くの人は知らないと思う。ある教科の担当が、当該学年より下の全教科を教えることを求められることがある。中1なら、小学校の内容を教えることもある。小学校免許無くても教えることもある。難しいのは当然です。だからといって適当で良いわけではないが難しい
元教員で息子が支援学級の担任をしています。昨日の土曜日は練習試合、本日の日曜日は午前中校内で部活動の練習、午後からは5月の出席統計のため帰宅は17時頃になると言って勤務先の中学校に行きました。 支援学級には学年が混ざっていたり、酸素ボンベなどの必要な児童生徒がいるから教員も苦労しています。 本来なら特別支援学校教諭免許状を取得している教員を充てるべきですが足りていません。 文科省が場当たり的に特別支援学級を作らせたのが一因です。 親の見栄で通学させるのではなく、特別支援学校に行くのが望ましいです。
何人かの方が書かれている通り、通常学級を任せられない人を特別支援学級担任にする実態は多くの小中学校で普通にあるようです。人数が圧倒的に多い通常学級の方に問題行動対応や保護者対応ができるしっかりとした教員を充てるのが普通だからです。 特別支援学級担任にも立派な方がいるのも事実ですが、楽をしたくて特別支援学級担任を希望する人もいます。一番腹が立つのは、楽をして勤務時間終了と共に帰宅するだけの人にも、特別支援学級担任であれば毎月特別に手当がつき、ボーナスや退職金にも反映されるということです。そういう人事をする管理職もどうかとは思いますけどね。
3年間知的障害特別支援学校で勤務して認定講習で教員免許を取った者です。通常級でも合理的配慮が必要な生徒がいるのに対応できない。何年も同じ学校で教えているベテランでも対応できないのを見ています。当然ですが、対応できない教員には持たせられないですし、管理職も持たせません。かといって、対応できない教員が非難される訳ではないし、担当したがらないです。専門的知識を持つ教員の絶対数のいない中、難しい問題です。特別支援学校で勤めた実績は全く考慮されず、自分としては腑に落ちないです。
教育に金をかけないことを許容してきた国民のせいでもある。多くの人々は自分のことばかりで、教育や介護に目を向けてこなかった。自分も含めてね。 結果、人手不足、人材不足に拍車がかかってる。 特別支援教育は普通の教育と全く違う。もっと人を集めて専門的な知識を身につけさせ、それに見合った給料を払うべき。だのに財務省は逆に手当を減らそうとしてる。 みんなもっと怒らないといけない。働きかけないといけない。
文科省そのものが、キャリアスタート後10年以内に支援級を経験することが望ましい、としています。 支援級は養成機関じゃない。 この感覚の問題が、文科省だけでなく教委、校長にもあるからです。 なぜ支援級を経験することが望ましいのか。通常級に増えている配慮の必要な子への理解や対応を経験できるから、というインクルーシブの視点でしょう。これは大義名分です。 しかし通常級を「持たせられない」人や新採を支援級に充てるのは「少人数」「複数担任」だからです。 なぜ少人数なのか。1人ひとりの実態に合わせた対応が必須だからです。授業はオーダーメイド。通常級を持たせられない人、新採に可能ですか? なぜ複数担任なのか。子どものサポートのためです。教員のサポートではありません。 特性に応じた指導という専門性に加え、医療や福祉、バス会社も含めた多様な渉外が求められます。 支援級こそ力のある人が必要なんです。
引用: https://news.yahoo.co.jp/articles/b3895a1b1fc654d2839bc2a4a7c8156e16b260a1
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